岩崎建築研究室・日誌II

京都・下鴨の設計事務所。茶室のリフォームや新築をメインに、和風住宅や和菓子舗、日本料理店、和風旅館、古民家改修などの設計監理を行なっています。

祝合格

長男が大学合格。学部は違いますが、我が母校に進学することになりました。発表はオンライン。自宅で家族揃っていたのですが、落ちた時気まずくなるので本人は個室で待機。合格しても静かにしておこうと話をしていたのに、番号を見つけた瞬間、WBCで大谷が優…

初釜

着物を着てお稽古場の初釜へ。今年は例年と違った趣向で、二組に分かれて八畳立礼の薄茶席と一畳台目の濃茶席、その後全員で広間で点心という流れ。 待合掛けは横山清暉の正月飾り。横山清暉(1792-1864)は江戸時代末期に活躍した四条派の絵師。松村景文の…

総本家更科

芦屋の現場監理の帰りに少し足を延ばして新世界へ。 通天閣のすぐ足元にある蕎麦屋さん、総本家更科さんは、1907年創業の老舗。外部の木部は綺麗に洗われていて清潔感があり、建物が大事に使われている様子が伺える。 軒瓦は中付一文字軒瓦。なかなかのこだ…

大引解体

大引解体阪神間八畳茶室計画。新年今日から工事スタート。 既存の床の大引を撤去。 既存床組が再利用できれば、という話にもなったが、各所の納まりなどを検討して、結局当初の計画通り、土台からやり直すことに。 既存建物の施工は竹中工務店。浮き上がり防…

初積雪

朝の賀茂川散歩。初積雪。送り火の舟形が白い。 蝋梅の蕾。 冬木立ちと有明の月。 橋の上にくると、 おやつを求める楓子。 白い瓦屋根と比叡山。賀茂川沿いには、やはり瓦屋根が似合う。 大文字に覆いかかる赤い龍のような雲。 松の雪。 朝焼けの北山。 賀茂…

仕付棚

現在計画を進めている京都別邸茶室計画の建築主さんより、台目構えの仕付棚(二重棚)の上の棚には何も載せないの?とご質問があったので、手元の資料を調べてまとめておこうと思う。 淡交テキスト「台目初炭手前」より。「仕付棚がある場合、棚の左前角に香…

京静華

住宅リフォームの計画を進めている建築主のHさんよりお電話。予約したお店に行けなくなったので、代わりに行ってもらえますか、とのこと。ご都合で計画が少し遅延していることを気にされてのお気遣い、恐縮と思いながら予約困難な人気中華店。お言葉に甘えて…

二の日の出

初日の出が曇りで見られなかったので、1/2、二の日の出を見に行く。 出雲路橋から夜明け前の賀茂川 落ち葉の霜 西の空には月 日の出はまだですが、比叡山は照らされ始めた 山の端のシルエット 山の端の松 比叡山から大文字まで そろそろ出るかな 朝日に向か…

初日の出

初日の出を見に行くも、 あいにくの天気で見られず。 妻と次男と愛犬と。 冬の賀茂川、葵橋より。 ヒヨドリ。

謹賀新年

あけましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になり有難うございます。本年もどうぞ宜しくお願いいたします。昨年は茶室設計の他に、日本料理店、温泉旅館の設計もさせていただくことができ、貴重な経験をさせていただきました。本年も建築設計を通…

冬の朝の月

賀茂川に犬と散歩に出てみれば 昨夜の月が西にありけり 愛犬とともに月を見る 朝の月の鳶の群れ。数歩歩いて振り返ると、もうすでに月は見えなくなっていた。一瞬一瞬の大切さ。大谷翔平によれば、フィジカルは長いスパンで計画的に鍛え、スキルを掴むのは一…

銘竹選び

京都別邸茶室計画、大工さんと一緒に茶室に使う竹選び。 平天井の竿縁には火炙り上製の白竹を。京都産の竹を京都の職人が仕上げた逸品。火で炙り油を抜いて、艶のある表面に仕上がり、モノとして美しい。 その中から今回使うものを厳選。 風炉先窓の方立には…

中折据に関の字を書く

今年最後の書道教室。前回はリモートで御幣の指導をしていただいたので、年内最後のご挨拶も兼ねて。 お茶の先生からのmisson「中折据に関の字を書く」を遂行するため、書道の先生にお願いしてお手本を幾つか書いていただく。その中からコレというものを選び…

広間茶室材料確認

阪神間八畳広間計画。鉄筋コンクリート住宅の一部屋を八畳の茶室広間に改修する計画。 大工さんの作業場で材料確認。床柱は北山丸太。銘木屋さんが4本セレクションしてくれて、その中から、これ、というものを選ぶ。 掛け込み天井の小丸太の垂木もたくさん用…

茶室の材料検分

京都別宅茶室計画、茶室の材料が大方揃ったので、大工さんの作業場で打ち合わせ。 模型を持参して、出来上がりを確認しながら各部材の使い方を検討する。 床柱はコブシ、中柱は赤松皮付。 床柱のコブシは断面が少し楕円形。節の位置や、給仕口の襖との取り合…

お稽古終い

お茶のお稽古。今年最後のお稽古、お稽古終い。自分にとっては21回目のお稽古終い。仕事が忙しいと言い訳をして、とりあえず継続するだけで良しとしてしまっている感がありますが、来年はきちんと学びを積み重ねられるよう努めていきたい。御家元のお稽古終…

戸栗美術館

東京での打ち合わせの合間に、戸栗美術館へ。創設者、戸栗亨(1926-2007)は殖産住宅指定業者「富士工務店」代表。同郷であった小佐野賢治(記憶にございません)の補佐役とも。昭和62年(1987)に陶磁器専門の美術館として戸栗美術館を設立。伊万里・鍋島な…

絞り茶巾

十二月二回目のお茶のお稽古。お軸は文浄老師の歳月不待人。年を取るごとに一年が短くなってゆく。お花は曙椿にカマツカの照り葉。カマツカはバラ科カマツカ属の落葉樹。4~5月にリンゴに似た五弁の白い小さな花が咲くき、花の後には直径1センチ弱の楕円形の…

温山荘(欄間編)

温山荘(欄間編)主屋にはめられた欄間が素晴らしいので、特に取りあげてブログをまとめてみる。 作者は相原雲楽(1878-1954)。彫刻家・高村光雲に弟子入りした後、住友家に認められ、住友本家及び須磨別邸、住友銀行、旧大阪図書館(現中之島図書館/住友家…

平八郎の雨

京都国立近代美術館の京都画壇の青春展を見てきました。三条での用事を済ませてから岡崎へ。自転車でくるっと廻れるコンパクトな京都の街のサイズ感も好き。 展示冒頭の栖鳳のサンタンジェロ城の掛軸がかっこいい。栖鳳、松園に続く新世代たちということで、…

取り外し式躙口

以前の建築主さんより、ご相談がある、ということでちょっと遠方まで。庭(露路)の塀のご相談でしたが、現場ですぐに図面を作成して、なんとかまとめられそう。以前リフォームの設計をさせていただいた茶室も見せていただく。活用してくださっているようで嬉…

灯籠選び

京都別宅茶室計画。建築主さんと造園屋さんと私の3人で、露地に使う蹲踞と灯籠選び。蹲踞と灯籠を選べと言われても困っちゃう、という方がほとんどだと思いますが、現場にあうもの、今回の茶室にあうもの、建築主さんの雰囲気に合いそうなものをオススメする…

竹中大工道具館

名古屋市中の山居計画の建築主さんと竹中大工道具館へ。建築主さんは背が高く、計画中の小間の天井高さが気になるということだったので、新神戸までお越しいただいた。イタリア人シェフの作るイタリアンを昼食にいただいてから(美味しかったです!)、いざ蓑…

初炭手前

前ブログでは投稿がすっかり滞っていましたが、細々と続いているお茶のお稽古。仕事の忙しさと言い訳をして、土曜日の朝一に伺い一回のお点前だけでそそくさと退席し、先生や社中の皆様にご迷惑をかけるばかりですが、茶室の設計者としては生命線でもあり、…

ブログ移転のお知らせ

2005年から、ライブドアブログにて「岩崎建築研究室・日誌」というブログをさせていただいてきましたが、この度、はてなブログにて「岩崎建築研究室・日誌II」として再出発することといたしました。 まだ設計事務所勤めだった2005年4月にブログを始めて、20…