岩崎建築研究室・日誌II

京都・下鴨の設計事務所。茶室のリフォームや新築をメインに、和風住宅や和菓子舗、日本料理店、和風旅館、古民家改修などの設計監理を行なっています。

茶室の材料探し

進行中の茶室計画。棟梁がストックされている木材や石材を、建築主さんと一緒に見せていただき、計画を練る。四畳半と小間、床柱/床框/中板

/中柱。京都で入手した古材の柱も合わせて、こちらをコレにしたら、あちらはアレにして、、まさに茶事の道具組みの楽しさ!夜は美味しいお食事をご馳走になりながら、宗匠にアドバイスいただく。茶室談義に花が咲き、案がまとまってきた。

給仕口

茶室リフォームの現場打ち合わせ。建築主さん立ち会いの元、色々と詳細を決定してゆく。給仕口は花灯口。壁下地のラワンランバーを大きめに用意してもらい、そこへ鉛筆で曲線を描いてゆく。ご亭主のお好みも伺いながら。地袋にはご亭主所持のインドネシアのバティックを使用。経師屋さんにも現場にきてもらい、使う場所を詳細に伝える。引手は私のコレクションの七宝を放出。露地も整いつつあり、出来上がりが楽しみ。天気も良く気持ちの良い季節。

 

岡公園

和歌山での茶室リフォーム打ち合わせの前に、和歌山城や岡公園を散策。岡口門は空襲で焼け残った旧藩時代の数少ない遺構。岡公園には、紀州徳川家の家老の下屋敷跡に保存されていた幕末の武家茶室「夜雨荘」や、和歌山出身の松下幸之助が寄贈した「芦鶴庵」などがありますが、見学はできず。武徳殿は明治三十八年(1905)築、昭和三十六年(1961)移築、現在でも現役で道場として使われているようです。

 

藤の花が咲き出した。建築材として藤といえば、確か高山吉島家の床柱に藤の木があったはず。捻れた材で床框がはずれてきてしまっていたと記憶している。似た見た目の材に蔦もあり、裏千家咄々斎の床框と落掛(この二つが同じ材というのは珍しいかも)松山藩久松家から拝領した蔦の木。藤も蔦も、つる性の植物なので、柱や框に使えるような大きな材が取れるのだろうか、とも思うが、太い蔦はそれほど珍しいものでもないらしく、金輪寺茶器は蔦で作られたものがあり、黒田辰秋の作品や白洲正子の著述で有名とのこと。