岩崎建築研究室・日誌II

京都・下鴨の設計事務所。茶室のリフォームや新築をメインに、和風住宅や和菓子舗、日本料理店、和風旅館、古民家改修などの設計監理を行なっています。

中折据に関の字を書く

今年最後の書道教室。前回はリモートで御幣の指導をしていただいたので、年内最後のご挨拶も兼ねて。

 

お茶の先生からのmisson「中折据に関の字を書く」を遂行するため、書道の先生にお願いしてお手本を幾つか書いていただく。その中からコレというものを選び、ひたすら「関」の字だけを練習する。門構えをどのように崩すか、門構えのハネと最後の一角がぶつからないように、中の部首は下に下がりすぎないように、など、自分では気づかないようなことを色々とご指導いただき、いざ本番。折据にはどのような字を書くべきなのか、わかりませんが、とりあえずこれを持って行こうと思います。それにしても一字書くだけでも、色々学ぶことがあって興味深い。こうして身につけたバランス感覚を建築設計にも活かしていきたいと思う。
 
中折据になぜ「関」の字なのかは、よくわかりませんが、関所/出入り口、なのか、かんぬき/かんぬきをかけて閉ざす、なのか。ちなみに折据は鴻池宗羽(1690-1745)の妻が考案したものを如心斎(1705-1751)が採用したものらしい。鴻池宗羽(了瑛)は如心斎に師事した茶人で茶器の収集家として知られ、寛保二年(1742)に大徳寺玉林院に、祖先山中鹿之助の位牌堂として南明庵と付属する茶室蓑庵を建立。鴻池は伊丹の酒造業から身をおこし、海運業者・両替商となり、新田開発などで急速に発展。幕末頃までトップクラスの豪商でしたが、日本全国の大名に貸した金が明治維新で回収できなくなり、急速に衰退した、ということらしい。