岩崎建築研究室・日誌II

京都・下鴨の設計事務所。茶室のリフォームや新築をメインに、和風住宅や和菓子舗、日本料理店、和風旅館、古民家改修などの設計監理を行なっています。

2023-01-01から1年間の記事一覧

冬の朝の月

賀茂川に犬と散歩に出てみれば 昨夜の月が西にありけり 愛犬とともに月を見る 朝の月の鳶の群れ。数歩歩いて振り返ると、もうすでに月は見えなくなっていた。一瞬一瞬の大切さ。大谷翔平によれば、フィジカルは長いスパンで計画的に鍛え、スキルを掴むのは一…

銘竹選び

京都別邸茶室計画、大工さんと一緒に茶室に使う竹選び。 平天井の竿縁には火炙り上製の白竹を。京都産の竹を京都の職人が仕上げた逸品。火で炙り油を抜いて、艶のある表面に仕上がり、モノとして美しい。 その中から今回使うものを厳選。 風炉先窓の方立には…

中折据に関の字を書く

今年最後の書道教室。前回はリモートで御幣の指導をしていただいたので、年内最後のご挨拶も兼ねて。 お茶の先生からのmisson「中折据に関の字を書く」を遂行するため、書道の先生にお願いしてお手本を幾つか書いていただく。その中からコレというものを選び…

広間茶室材料確認

阪神間八畳広間計画。鉄筋コンクリート住宅の一部屋を八畳の茶室広間に改修する計画。 大工さんの作業場で材料確認。床柱は北山丸太。銘木屋さんが4本セレクションしてくれて、その中から、これ、というものを選ぶ。 掛け込み天井の小丸太の垂木もたくさん用…

茶室の材料検分

京都別宅茶室計画、茶室の材料が大方揃ったので、大工さんの作業場で打ち合わせ。 模型を持参して、出来上がりを確認しながら各部材の使い方を検討する。 床柱はコブシ、中柱は赤松皮付。 床柱のコブシは断面が少し楕円形。節の位置や、給仕口の襖との取り合…

お稽古終い

お茶のお稽古。今年最後のお稽古、お稽古終い。自分にとっては21回目のお稽古終い。仕事が忙しいと言い訳をして、とりあえず継続するだけで良しとしてしまっている感がありますが、来年はきちんと学びを積み重ねられるよう努めていきたい。御家元のお稽古終…

戸栗美術館

東京での打ち合わせの合間に、戸栗美術館へ。創設者、戸栗亨(1926-2007)は殖産住宅指定業者「富士工務店」代表。同郷であった小佐野賢治(記憶にございません)の補佐役とも。昭和62年(1987)に陶磁器専門の美術館として戸栗美術館を設立。伊万里・鍋島な…

絞り茶巾

十二月二回目のお茶のお稽古。お軸は文浄老師の歳月不待人。年を取るごとに一年が短くなってゆく。お花は曙椿にカマツカの照り葉。カマツカはバラ科カマツカ属の落葉樹。4~5月にリンゴに似た五弁の白い小さな花が咲くき、花の後には直径1センチ弱の楕円形の…

温山荘(欄間編)

温山荘(欄間編)主屋にはめられた欄間が素晴らしいので、特に取りあげてブログをまとめてみる。 作者は相原雲楽(1878-1954)。彫刻家・高村光雲に弟子入りした後、住友家に認められ、住友本家及び須磨別邸、住友銀行、旧大阪図書館(現中之島図書館/住友家…

平八郎の雨

京都国立近代美術館の京都画壇の青春展を見てきました。三条での用事を済ませてから岡崎へ。自転車でくるっと廻れるコンパクトな京都の街のサイズ感も好き。 展示冒頭の栖鳳のサンタンジェロ城の掛軸がかっこいい。栖鳳、松園に続く新世代たちということで、…

取り外し式躙口

以前の建築主さんより、ご相談がある、ということでちょっと遠方まで。庭(露路)の塀のご相談でしたが、現場ですぐに図面を作成して、なんとかまとめられそう。以前リフォームの設計をさせていただいた茶室も見せていただく。活用してくださっているようで嬉…

灯籠選び

京都別宅茶室計画。建築主さんと造園屋さんと私の3人で、露地に使う蹲踞と灯籠選び。蹲踞と灯籠を選べと言われても困っちゃう、という方がほとんどだと思いますが、現場にあうもの、今回の茶室にあうもの、建築主さんの雰囲気に合いそうなものをオススメする…

竹中大工道具館

名古屋市中の山居計画の建築主さんと竹中大工道具館へ。建築主さんは背が高く、計画中の小間の天井高さが気になるということだったので、新神戸までお越しいただいた。イタリア人シェフの作るイタリアンを昼食にいただいてから(美味しかったです!)、いざ蓑…

初炭手前

前ブログでは投稿がすっかり滞っていましたが、細々と続いているお茶のお稽古。仕事の忙しさと言い訳をして、土曜日の朝一に伺い一回のお点前だけでそそくさと退席し、先生や社中の皆様にご迷惑をかけるばかりですが、茶室の設計者としては生命線でもあり、…

ブログ移転のお知らせ

2005年から、ライブドアブログにて「岩崎建築研究室・日誌」というブログをさせていただいてきましたが、この度、はてなブログにて「岩崎建築研究室・日誌II」として再出発することといたしました。 まだ設計事務所勤めだった2005年4月にブログを始めて、20…