岩崎建築研究室・日誌II

京都・下鴨の設計事務所。茶室のリフォームや新築をメインに、和風住宅や和菓子舗、日本料理店、和風旅館、古民家改修などの設計監理を行なっています。

戸栗美術館

東京での打ち合わせの合間に、戸栗美術館へ。創設者、戸栗亨(1926-2007)は殖産住宅指定業者「富士工務店」代表。同郷であった小佐野賢治(記憶にございません)の補佐役とも。昭和62年(1987)に陶磁器専門の美術館として戸栗美術館を設立。伊万里・鍋島などの肥前磁器が充実。所在地は松濤の旧鍋島藩の屋敷跡、建物は清水建設の設計施工らしいが、詳細は不明。

古伊万里、鍋島、柿右衛門、古九谷の銘品を見る。1644年に明朝から清朝王朝が交代した影響で、17世紀中ごろから後半にかけて、世界最高水準を誇った中国磁器がまったく中国国外へ輸出されなくなり、この影響で日本の陶磁器の技術革新が進み、中国磁器を凌ぐ芸術性を持つようになったとのこと。いろいろな技法や造形、紋様を見るのは建築設計者にとっても興味深い。紗綾形の組子の障子があっても面白いかも。