岩崎建築研究室・日誌II

京都・下鴨の設計事務所。茶室のリフォームや新築をメインに、和風住宅や和菓子舗、日本料理店、和風旅館、古民家改修などの設計監理を行なっています。

京静華

住宅リフォームの計画を進めている建築主のHさんよりお電話。予約したお店に行けなくなったので、代わりに行ってもらえますか、とのこと。ご都合で計画が少し遅延していることを気にされてのお気遣い、恐縮と思いながら予約困難な人気中華店。お言葉に甘えて、妻と二人で行かせていただきました。
 

フグの白子の茶碗蒸し。フグの白子は中国で「西施乳」とも呼ばれるそう。西施は春秋時代、越国の美女。妖術で国王をたぶらかし、国を滅亡に追い込んだとされ、生きたまま皮袋に入れられ長江に投げられた。その後、長江でがよく獲れるようになり、人々は西施の舌だと噂しあった事から、中国では蛤のことを「西施舌」と呼ぶようになったとか。レンコンは「西施臂」、フグの肝は「西施肝」とも。日本では、松尾芭蕉が「奥の細道」で「象潟や雨に西施がねぶの花(きさがたや あめにせいしが ねぶのはな)」と詠んだことで有名。

 

黒豆と燕の巣。西太后(1835-1908)が若さを保つため連日食したとされた北京宮廷料理のひとつ。 
 

子持ち鮎と筍とドンコ。冬の筍といえば、孟宗の話。孟宗(?-271)は中国三国時代、呉の国の政治家。母が筍を好んだので、冬の竹林に入り哀嘆したところ、筍が生えてきたので、母に食べさせることができ、この逸話より孟宗竹にその名前がつきました。ちなみに茶室や茶道具で使われる竹のほとんどは日本原産の真竹(マダケ)ですが、茶筅だけは淡竹(中国原産)。繊細な細工が必要な茶筅には、裂く加工に向いている淡竹が選ばれているということなのだと思う。
 

仔鳩。鳩は初めて食べたかも。脂肪分が少なく鉄分が多く、あっさりとした赤身肉。
 

ヒラメ。松の司と。
 

春巻。ホタテと青リンゴ、マジャクリ、エビ。三種類の味が楽しめる。目の前で一流の料理人が揚げてくれて、それをすぐに食べられるという幸せ。辛いソルベ添え。
 

蓋をした状態で写真を撮って、開けた状態の写真を撮り忘れ。中身はフカヒレ、黒アワビ、聖護院大根
 

トラフグ。
 

丹後グジ。
 

水餃子。
 

フォーチュンクッキーならぬフォーチュン水餃子。中に丸い人参が入っていたら当たり。
 

杏仁豆腐。妻曰く「死ぬ前に食べたい」
 

おかわり。妻曰く「バケツ一杯いける」
 

いちごは飴掛け。パリッとした歯ごたえの後の、飴とイチゴの甘さ。