岩崎建築研究室・日誌II

京都・下鴨の設計事務所。茶室のリフォームや新築をメインに、和風住宅や和菓子舗、日本料理店、和風旅館、古民家改修などの設計監理を行なっています。

お稽古終い

お茶のお稽古。今年最後のお稽古、お稽古終い。自分にとっては21回目のお稽古終い。仕事が忙しいと言い訳をして、とりあえず継続するだけで良しとしてしまっている感がありますが、来年はきちんと学びを積み重ねられるよう努めていきたい。御家元のお稽古終いは12/19とのこと。12/13が事始めで、お正月の準備を始める日。主家へ鏡餅を持参して一年の恩恵を感謝する年末の行事。裏千家では対流軒に鏡餅が並ぶようです。

 
今日は花月。人数が揃うまで、立礼の灰型をさせていただく。二文字押し切り。使い終わった炭をある程度取ってから押さえ始めましたが、小さな黒い炭や、枝炭の白い粉などが残っていて、押さえても仕上がりが綺麗でなかった。準備段階をきちんとしなければいけなかったと反省。
 
人数が揃って且坐。偈頌は「是法住法位(このほうはほういにじゅうす)」。自然の道理に従い守るべきことが守られているのが自然の姿である ということで、己に決められた役割を以て全うせよ、とのこと。ということで、水屋でひく折据で役割が決定します。一が香、二が花、三が炭、月が半東、花が東(亭主)。席中では、最初に二がお花を生け、三が炭を継ぎ、一がお香を焚き、東が四人分の濃茶を練り、半東が東のために薄茶を点てる。今回は一を引いてお香。お香の作法も何度もやっているはずですが、まだまだ身についていない。
 

先生より、中折据に「閑」の字を書いておくように、と言われる。
折据には大中小あり、
小折据は花月之式、一二三之式、仙遊之式、法磨之式、三友之式、唱和之式に使用
中折据は雪月花之式に使用
大折据は「一」「二」「三」の三つの大折据を茶カブキ之式に用い、「一」だけを員茶之式、花寄之式に使用。
おおよその寸法は
小二寸五分
中三寸
大五寸
手元の中折据を測ると、横三寸、縦三寸五厘と、わずか縦長にしているようにも見える。手作りのものなので、バラつきはあるものですが、これは意図的にやっているような寸法のように感じる。
ところで中折据には「関」の字が書かれますが、なぜなんでしょうか?
 
準備の合間、先生から「今日庵の道庫に助炭が入ってるって聞いたけど、寸法的に入るかしら」と聞かれる。
写真は淡交社裏千家今日庵の茶室建築」より。

岡田孝男の「京の茶室」によれば、道庫の奥行き寸法は667、二尺二寸とのこと。これなら助炭も入る。今日庵の道庫は意外に奥深い。