岩崎建築研究室・日誌II

京都・下鴨の設計事務所。茶室のリフォームや新築をメインに、和風住宅や和菓子舗、日本料理店、和風旅館、古民家改修などの設計監理を行なっています。

藤の花が咲き出した。建築材として藤といえば、確か高山吉島家の床柱に藤の木があったはず。捻れた材で床框がはずれてきてしまっていたと記憶している。似た見た目の材に蔦もあり、裏千家咄々斎の床框と落掛(この二つが同じ材というのは珍しいかも)松山藩久松家から拝領した蔦の木。藤も蔦も、つる性の植物なので、柱や框に使えるような大きな材が取れるのだろうか、とも思うが、太い蔦はそれほど珍しいものでもないらしく、金輪寺茶器は蔦で作られたものがあり、黒田辰秋の作品や白洲正子の著述で有名とのこと。