岩崎建築研究室・日誌II

京都・下鴨の設計事務所。茶室のリフォームや新築をメインに、和風住宅や和菓子舗、日本料理店、和風旅館、古民家改修などの設計監理を行なっています。

山吹と井手

色も香も なつかしきかな 蛙鳴く

井手のわたりの 山吹の花 小野小町

 

山吹の 花咲く里に 成ぬれば

ここにもゐでと おもほゆるかな 西行

 

山吹の 花の盛りに なりぬれば
井手の渡りに ゆかぬ日ぞなき 源実朝

 

 

奈良時代に「井手左大臣」と呼ばれた橘諸兄(たちばなのもろえ)は、山吹を好んで自身の邸宅や玉川(京都府綴喜郡井手町)沿いに植え、その見事さは数々の和歌にも詠まれてきた。玉川はカジカガエルの鳴き声も有名で、山吹と蛙は、井手の玉川を象徴する歌枕となった。