2024-04-14 山吹と井手 色も香も なつかしきかな 蛙鳴く 井手のわたりの 山吹の花 小野小町 山吹の 花咲く里に 成ぬれば ここにもゐでと おもほゆるかな 西行 山吹の 花の盛りに なりぬれば井手の渡りに ゆかぬ日ぞなき 源実朝 奈良時代に「井手左大臣」と呼ばれた橘諸兄(たちばなのもろえ)は、山吹を好んで自身の邸宅や玉川(京都府綴喜郡井手町)沿いに植え、その見事さは数々の和歌にも詠まれてきた。玉川はカジカガエルの鳴き声も有名で、山吹と蛙は、井手の玉川を象徴する歌枕となった。